ゆうちょ銀行で硬貨取扱いが有料化!!~入金にもお金がかかる!~

学校事務の仕事

2021年7月2日にゆうちょ銀行からプレスリリース「お客さまへの安定的なサービス提供に向けた料金の見直し・新設のお知らせ」が出されているのをご存知でしょうか?

私自身ニュースでは見れておらず、他校の事務職員の方からお聞きして知ることになりました。知ったあとに別の学校に聞いてみるとやはり知らない方や学校事務に関係するとは思っていない方もおられたので、情報提供も含めてお知らせさせていただきます。

学校事務の方はもちろん、ゆうちょ銀行を利用されている学校の先生、の参考になればうれしいです。

小中学校とゆうちょ銀行の関係は

小中学校では、日々結構な額の現金を取り扱います。市区町村によっても扱う費目は異なりますが、

集金するものとして、

・給食費 ・教材費 ・校外学習費 ・修学旅行等積立金
・スポーツ振興センター掛金 ・生徒会費 ・クラブ活動費 など

保護者や家庭に支給するものとして、

・就学援助金 ・就学奨励費 ・災害見舞金 など

役所や学校・職員間のものとして、

・給与、旅費、使用料などの前渡資金 ・教育扶助費 など

などが存在します。

多くのものが現金を扱わない口座振込になっていますが、一部振込不能や手続き上現金を取り扱う場合があります。

これらのお金を現金で金庫に保管しておくことは、盗難や紛失・滅失のリスクがあるため、費目ごとの口座を開設し管理をしています。

同じ市区町村内でも、最寄りの金融機関が違うため、学校によって取引銀行は異なります。

その中の一つとして「ゆうちょ銀行」があります。

ゆうちょ銀行は全国津々浦々の郵便局が窓口となっているため、保護者の口座開設率も高く、多くの学校が利用している銀行になると思います。

なので、今回の料金の見直し・新設の与える影響は大きいのではないかと思います。

ゆうちょ銀行の手数料見直し・新設の内容は?

ゆうちょ銀行が7月2日に発表した主な内容は以下の通りです。

  • 払い込みサービスを現金で利用する場合の料金加算の新設
  • 硬貨取扱料金の新設
  • 金種指定料金の新設
  • 各種既存サービスの新設・改定
  • ATM硬貨預払料金の新設
  • ATM利用料金の新設
  • ATM・CD提携サービスの手数料改定

いずれも2022年1月17日(月)からの適用となります。

私が特に影響があると考えるのが「硬貨取扱料金の新設」「金種指定料金の新設」「ATM硬貨預払料金の新設」の3点になりますが、「硬貨取扱料金の新設」に絞ってみていきます。

(ほかのものが影響しない訳ではありません。)

硬貨取扱料金の内容と問題点は?

「硬貨取扱料金の新設」は、「ATM硬貨預払料金の新設」と区別され窓口での取り扱いです。

内容は

硬貨枚数料金
1~50枚無料
51~100枚550円
101~500枚825円
501~1,000枚1,100円
以降500枚毎+550円
硬貨取扱料金

となります。

上述の通り、学校では給食費等様々な集金をしています。一度例を挙げて計算をしてみます。

ひと月の一人当たりの集金額を6,250円として全校児童400人とします。

ゆうちょ銀行の自動引き落としを利用し95%の380人が振替でき、残る20人分が現金での集金。

集金初日に半分の10人が持ってきてくれて、

  • 金種が1000円×6枚、100円×2枚、50円×1枚の場合は
    硬貨の枚数は100円玉2枚と50円玉1枚の計3枚×10人分で30枚と無事に入金するときに手数料はかかりません
  • 金種が1000円×6枚、100円×2枚、10円×5枚の場合は
    効果の枚数は100円玉2枚と10円玉5枚の計7枚×10人分で70枚になり、硬貨取扱手数料550円がかかります

実際には、再振替日を設定したり、学校口座への振込を依頼したりと極力現金の取り扱いを減らす工夫を各校取られていると思いますが、振替不能の割合も感覚としてはもっと多いのが実情です。更に硬貨もお釣りの無いように払ってくれるご家庭が多いため、逆により細かくなる印象です。(10円を5円玉2枚など)

さて、結構あっさりと50枚を超えてしまいましたが、この 550円 は一体だれが負担するのでしょうか

市区町村によっては、公費で対応できる場合もあるとは思いますが、私の自治体では硬貨取扱手数料を支出できる公費費目はありません。

これが、一人(又は一家庭)に何円と決まっている場合は、安易な考えをすると上乗せして集金すればいいだけではありますが、上記の例のように同じ金額でも手数料がかかる場合とかからない場合が発生するためこの対応は難しいです。

他の場合も、校長や職員の自腹やPTA会費など他費目からの支出する、50枚以下になるように小分けにするなどが考えられますが、もちろんどれも本質的な解決にはなっていません。

(なお確認はしていませんが、ゆうちょ銀行のお知らせには「同時に複数件のお手続きをされる場合、硬貨の枚数を合算し、料金を判定いたします。」との記載があるため、伝票を分けるだけは難しいかもしれません。)

私が思う無難な方法はやはり手数料の公費支出ですが、公費が税金である以上不必要に支出するわけにはいきませんし、新しい予算化はすぐには動けません。

再振替や振込など現金の取り扱いをいかに少なくするかを検討しないといけないのが現状です。あと4ヶ月しかない状況ですので、各校での検討はもちろん教育委員会を巻き込んだ検討が必要だと思います。(私の自治体では、研究団体が主になって各校の口座開設状況等を確認して、教育委員会と検討を行う予定です。)

ご自身の学校がゆうちょ銀行であるかがまず大事ですが、これから他行にも派生することを見据えて先手先手で検討をしていかないと、安易な保護者負担増や事務負担増につながります。そういったことにならないように少しでも参考になればうれしいです。

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