学校事務職員・教員(先生)の扶養手当について

学校事務の勤務条件

学校事務職員に支給される手当の中から今回はメインとなる

  • 扶養手当
  • 通勤手当
  • 住居手当

を順番に紹介をしたいと思います。今回は「扶養手当」についてです。

ちなみに、事務職員等の給与担当者はこのメインの3つの手当を合わせて「三手当」って呼ぶことが多いです。

同じ都道府県や政令市に努める教員(先生)も基本的に同じ制度になりますので、学校事務職員になりたい人だけでなく、先生になりたい人にも参考になると思います。

(注意‼)都道府県や政令市の規定によって支給要件や金額などに違いがあるので、必ず確認するようにしてください。

扶養手当

扶養手当は、「職員本人の収入で生活している家族(扶養親族)がいる場合に支給される手当」です。
地域手当や期末手当を計算する際に基礎額に含まれます。

対象となるのは、他に生計の途がなく主としてその職員の扶養を受けている

  • 配偶者(事実婚を含む)
  • 22歳以後の最初の3月31日までの間にある子
  • 22歳以後の最初の3月31日までの間にある孫
  • 60歳以上の父母又は祖父母
  • 22歳以後の最初の3月31日までの間にある弟妹
  • 心身に著しい障がいを有する者

になります。

金額は、子ども一人当たり10,000円 その他一人当たり6,500円 で
    15歳以後の最初の4月1日から22歳以後の最初の3月31日の間の5,000円加算
    (高校生や大学生にあたる年齢です。)

扶養手当の一般的なイメージはやはり「子ども」で、新規採用者以外では子どもが生まれる時に手続きをすることが多いです。

大事なのは、

  • 主としてその職員の扶養を受けている
  • 他に生計の途がない

の部分です。

主としてその職員の扶養を受けている

簡単に言うと、ほかにその人を扶養している人、扶養できる人はいませんか?、ということです。
(民法の扶養義務者の考え方を使います。)

分かりやすい例は、共働き世帯の子どもです。

お父さんが子どもに対する扶養手当をもらっている場合、お母さんはもらうことができません。

最近は配偶者が民間企業にお勤めの場合で、扶養手当が出ない(類する制度がない)場合に先生側で認定することが多いです。

孫や弟妹を扶養するためには、その親や兄弟姉妹が扶養していないこと、
父母を扶養するためには、その配偶者(母親を扶養したい場合は父親)やほかの兄弟姉妹が扶養していないこと、
祖父母を扶養するためには、その子(職員にとっては親や叔父や伯母など)が扶養していないこと、
などが必要になります。

また、扶養義務者の中で職員以上に稼いでいる人がいる場合は、一般的に見て(社会通念上)その人が扶養するよね。って感じで理由書や添付書類で説明を求められるます。

また、別居している場合は、送金の事実など、客観的にみて扶養している事実が必要です。

他に生計の途がない

簡単に言うと、扶養しないと生活できませんか?ということです。

働いていなくても、資産収入や年金収入などの恒常的な収入が130万円未満であったり、同居家族がいたりしませんか?ということです。

この130万円の判断が難しいので必ず事務担当者や給与担当課に確認していただきたいです。

アルバイトなど収入が変動する場合は、月額限度額が設定され3ヶ月平均をとったり、日額限度額が設定されている場合があります。

「恒常的な収入」の範囲は所得税法のいう「所得」とも「年間収入(年収)」とも違います。

例えば、

  • 無職だが、雇用保険を受けている
  • 老齢年金はまだだが、遺族年金を受けている
  • 育児休業中だが、育児休業手当金を受けている

など、非課税の収入も「恒常的な収入」と見なされますので、十分注意をしてください。
(アルバイトなどの給与収入の場合は「交通費」などの実費弁償の金額が除かれる場合があります。)

戻入(返還)になった事例は?

以上のように、条件が難しいために手続きが遅れたり、年1回や2回の調査、数年に一度の監査で申告漏れや適用の誤りが見つかったり、税務調査から収入が判明したりして、戻入(返還)される事例が散見されます。

早く判明すればいいですが、長期にわたって是正されなかった場合、扶養手当は地域手当や期末手当などの計算にも影響するため多額の返還を一度にしないといけない場合があります。

戻入(返還)になった事例は

  • 配偶者の収入を把握していなかった
  • 配偶者が退職したあと、雇用保険を受給しているのを知らなかった
  • 高校生や大学生の子がアルバイトで稼ぎすぎていた
  • 育児休業中に2人目を妊娠し、産休(有給)に切り替わったのに扶養を外し忘れた
  • 配偶者が復職したのに扶養を外し忘れた

特に家族間の関係が良くない時に把握が遅れることが多いです。

また、手当の「申請主義」です。該当事由があっても申請がなければ支給されません。

つまり、外し忘れたあとに、また状況が変わって受給できるようになっていても、その時点で申請がなければ、気づいたその時からしか受け取ることができなくなります。

例)2020年4月に配偶者が退職し、扶養手当を申請。2020年5月から雇用保険を受給(外し忘れる)。10月末に受給満了。2021年4月に外し忘れたことが判明。

→この場合、本来2020年11月から受給できたはずのものでも5月~2021年3月分まで返還が必要になります。そして、早くても2021年4月からしか受給できなくなります。

以上のように制度をきちんと把握しないと、本来受けれたはずのものすら失うことになりますので、ご家族の状況に変化があった場合は、必ず事務担当者や給与担当課に確認しましょう。

事務職員をめざす方や事務職員の方は、普段からアンテナを高く、雑談の中に気になる情報があれば確認をしましょう。また、普段から相談をされやすいように、職員との人間関係や信用・信頼される仕事ぶりなどを意識してみてください。

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