若手の先生に確定型拠出年金(iDeCo)は必要か?(職員からの相談編)

資産運用

20代の若手の先生からiDeCoを始めようと思います。とお話がありました。

そこで若手の先生に確定型拠出年金(iDeCo)は必要か?といった視点で書いていきたいと思います。

  • 老後資金が心配で何かしないといけないと考えている先生
  • 積立NISAとiDeCoってよく聞くけど何が違うのっていう先生

の参考になればうれしいです。

確定型拠出年金(iDeCo)はどんな制度か?

確定型拠出年金(iDeCo)は、公的年金とは別に

自分で申し込み、掛金を払って、運用し、その掛金と運用益を給付として受け取る制度

で、人生100年時代を備えるために、国が老後に向けた資産形成を後押しするために作られた制度です。

iDeCoには

  • 積立時に掛金が所得控除されます。(支払う税金が減る)
  • 運用時に運用益が非課税になります。(通常は約20%課税)
  • 受取時に退職金控除や年金控除を受けることができます。

3つのメリットがあります。

その代わり

  • 基本的に60歳まで出金することができない

デメリットがあります。

若手の先生にとって必要か?

結論から言うと私はおススメしません

理由は

  • 人生設計が固まっていない
  • 資金拘束が強すぎる
  • 公務員の場合、受取時の節税メリットを受けるのが難しい

の2つがあります。

それぞれ簡単に説明します。

人生設計が固まっていない

20代の先生にとって

  • 結婚するのか
  • 子どもをつくるのか、何人つくるのか
  • 子どもが公立校に通うのか、私立校に通うのか
  • 家を買うのか、賃貸で過ごすのか
  • 仕事を続けるのか、やめるのか

といったように、結婚資金、教育資金、住宅資金などお金が必要となるライフイベントの計画をしていないことが多いです。

公務員の場合は月額12,000円年間144,000円)が上限なので、少し我慢や倹約をすれば余裕で達成できる金額です。

しかし、自分が想像している状況と違いお金が必要になることもあると思います。最低限結婚して夫婦でしっかりと話し合い、家計の状態を考えて12,000円が余裕であれば始めればいいと思います。

資金拘束が強すぎる

iDeCoは一度掛金を拠出すると基本的に60歳まで引き出すことができません。上記の人生設計ともかかわりますが、予定外の支出や状況があったときに解約することができずに、せっかくお金があるのに使うことができないことは避けたいです、

12,000円程度と思われる方であれば構わないかもしれませんが、何があるかわからない世の中なので、いざとなれば使えるという選択肢を持った状態でいることが安心感につながるのではと思います。

公務員の場合、受取時の節税メリットを受けるのが難しい

受取時の非課税メリットである

  • 公的年金控除
  • 退職金控除

の利用には限度額があります。

公務員の場合、退職金制度を廃止することが増えてきている民間と異なり、将来定年まで勤めると退職金が支給される可能性が高く、通常の退職金で退職控除を使い切ってしまう可能性が高いです。

公的年金控除についても、国民年金だけの方と違い、現在より減額されるとしても一定程度の金額が支給される可能性が高いため、公的年金控除も限度額を超える可能性が高いです。

そうなるとメリットである控除を受けることが難しく、恩恵が少なくなります。

若手の先生はどうすればいいか?

私は積立NISAと貯金をしつつ、さらに余裕があるのであればiDeCoを検討する形をおススメします。

積立NISAであれば資金が必要となったタイミングで現金化することも可能ですし、貯金でリスク分散を図ることができます。

若手の先生にとって、直近で必要な大きなお金は結婚資金と住宅資金です。老後が心配なのはよくわかりますが、先に老後資金を用意するのではなく、さまざまな状況に対応できる選択肢をもってほしいを思います。

積立NISAをしないのであれば、iDeCoだけでもしてる方が良いかもしれませんが、その場合はもう少し投資について調べてほしいなと思います。

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