扶養手当・通勤手当と続いて今回は「住居手当」について書いていきます。
今回も同様となりますが、同じ都道府県や政令市に努める教員(先生)も基本的に同じ制度になりますし、行政の一般公務員も似たような制度になりますので、学校事務職員になりたい人だけでなく、先生や公務員になりたい人にも参考になると思います。
(注意‼)都道府県や政令市の規定によって支給要件や金額などに違いがあるので、必ず確認するようにしてください。
住居手当
住居手当は、
自ら居住する住宅を借り入れ、月額一定額を超える家賃を支払っている者
に支給される手当です。
支給されるための条件や支給金額についてみていきたいと思います。
支給されるための条件
支給されるためには、契約者は誰か、住んでいるのか、家賃の負担者は誰か、の3点が重要になります。詳しくはその人の状況によってさまざまですので、簡単に書いていきます。
契約者は誰か
「自ら居住する住宅を借り入れ、月額一定額を超える家賃を支払っている者」の赤字部分「自ら借り入れ」を満たすための条件です。
住居手当をもらうための契約者は、
- 職員本人
- 扶養手当上の扶養親族
である必要があります。本人については説明の必要はないと思いますので、「扶養手当上の扶養親族」について説明します。
イメージしやすい状況は、専業主婦(夫)である配偶者名義の賃貸住宅に居住している場合です。
この場合、契約者である配偶者は、職員本人に養われていることになりますので、その家賃等は職員本人の収入よりまかなわれているため、住居手当の支給が認められます。
そもそも、専業主婦(夫)で名義人になれるかについては、配偶者がもともと借りていた住居に二人で住むことになり、配偶者は結婚を機に退職する等が考えられます。
賃貸物件の名義変更は簡単にはできないことも多いので、今までに何件か実際にあった事例です。
では、「扶養親族である高校生や大学生の子の下宿先の家賃を要件に住居手当が認められるか」については、次の「実際に住んでいるか」の条件が関わります。
実際に住んでいるか
次は、「自ら居住する住宅を借り入れ、月額一定額を超える家賃を支払っている者」の赤字部分「自ら居住する」を満たすための条件です。
住居手当をもらうためには、職員本人が「自ら居住する」つまり「生活の本拠である」必要があります。
先ほどの事例である「扶養親族である高校生や大学生の子の下宿先の家賃を要件に住居手当が認められるか」については、職員本人が住んでいないので、支給対象にはなりせん。
(わかりきっていたことだとは思いますが^^;)
この条件が問題になる事例は、
- 夫婦で別居している
- 自宅とは別に勤務地に近い賃貸住宅を借りている
などがあります。
ちなみに「生活の本拠」は免許証の「住所」や住民票上の「住所」と違っていてもかまいません。
(望ましくはありませんが。。。)
あくまで生活の実態がどちらにあるかを基準にします。
例えば、平日は勤務地に近い賃貸住宅へ、休日は自宅への場合は月の大半を賃貸住宅で過ごしていることから、支給が認められる可能性が高いです。
また、課業中(授業がある日)は賃貸住宅へ、休業中(夏休みや年末年始)は自宅への場合は、その都度申請をすれば、課業中の支給は認められる可能性が高いです。
ただし、住所地と異なる場合、生活実態があるかの判断が非常に困難になるため、光熱水費の領収証や郵便物など、住んでいることが客観的ににわかる証拠書類の提出が必要な場合が多いので、注意が必要です。
家賃の負担者は誰か
最後に、「自ら居住する住宅を借り入れ、月額一定額を超える家賃を支払っている者」の赤字部分「自ら家賃を支払っている」を満たすための条件です。
住居手当をもらうためには、契約者と同様
- 職員本人
- 扶養手当上の扶養親族
が家賃を負担している必要があります。
つまり、
- 現金で支払い、本人名義等で領収書をもらう
- 本人名義の口座やクレジットカードからの引き落とし
- 扶養親族の口座やクレジットカードからの引き落とし
が考えられます。
家計管理上、家賃などの固定費を一人のクレジットカードにまとめている場合、それが共働きの配偶者名義であると、家賃の支払い者は外形上配偶者になるため、この条件を満たしていないと判断される場合がありますので、十分注意してください。(クレカ払いの場合、領収書の発行も困難になります。)
支給はいつから始まるのか
支給がいつから始まるのかは、
- 条件がそろった日(事実発生日)
- 申請を行った日(申請日)
- 支給が始まる日(支給の始期)
の3つ日の関係が大事になります。
条件がそろった日
上記、支給されるための条件がそろった日のことを「事実発生日」と言います。
住居手当の事実発生日は
- 契約を結んだ日 (契約者は誰か)
- 引っ越した日 (実際に住んでいるか)
- 家賃が発生した日 (家賃の負担者は誰か)
の3つの日がそろった日(一番遅い日付)になります。
- 契約をし、家賃も支払っているけど、まだ住んでいない
- 契約も済み、実際に住んでいるけど、大家との契約で家賃は来月分から
といった状態では、住居手当は支給されません。
3つの条件がそろって初めて支給されることになります。
ちなみに、賃貸住宅に住んだ状態で採用された新規採用者の事実発生日は「採用日」になります。
(土日祝日でも「採用日」が事実発生日になります。)
申請を行った日
住居手当に限らず、ほとんどの手当は職員本人からの申請に基づく「申請主義」を採用しています。
「申請を行った日」とは文字通り、事務担当者に申請書を提出した日になります。
近年は、システム化が進み、職員本人による電子申請の自治体も増えていますが、電子申請の場合は、よりシビアに「申請」のボタンを押した日が重要になります。
多くの自治体では、申請は「事実発生日から15日以内の申請が必要」されています。
支給が始まる日
支給が始まる日を「支給の始期」と言います。
「申請を行った日が事実発生日から15日以内」だった場合、その事実発生日が
- 月の1日の場合には、事実発生日の当月分から
- 2日以降の場合は、事実発生日の翌月分から
となります。
「申請を行った日が事実発生日から15日を超えた」場合は、その申請の受理日が
- 月の1日の場合には、受理日の当月から
- 2日以降の場合は、受理日の翌月分から
になります。
つまり、住居手当の条件を満たした4月1日付の新規採用者の申請が4月16日以降となった場合、
4月分の住居手当がもらえないことになります。
契約書等の添付書類が必要ではありますが、不備があったとしても先に「申請する」という行為が大事になりますので、忘れないうちに申請をするようにしてください。
少し長くなったので、支給額等については、別の投稿にしたいと思います。
コメント