さて、今回は時期的な制度「財形貯蓄」のお話をします。
この記事は
・学校で事務職員が「財形貯蓄」の話をしていたけど、「財形貯蓄」って何?っていう先生
・先輩教員や親から「財形貯蓄」を勧められている新採や若手の先生
に参考になればと思います。
「財形貯蓄」って何?
「財形貯蓄」は勤労者財産形成促進法に基づく会社員・公務員の資産づくりを支援する制度です。
「財産形成貯蓄」略して「財形」or「財形貯蓄」です。
簡単なイメージとしては
ちょっとお得で給与から勝手に積み立ててくれる貯金
っていう感じのものです。
財形貯蓄には、以下の3つがあります。
- 一般財形
- 使い方に制限のない普通の貯金です。
- 住宅財形
- 住宅購入やリフォームなどに利用するための貯金です。
用途に合った利用をすると利子が非課税になります。
- 住宅購入やリフォームなどに利用するための貯金です。
- 年金財形
- 老後資金のための貯金です。
こちらも用途に合った利用をすると利子が非課税になります。
- 老後資金のための貯金です。
細かなことはこの記事の目的に合わないので省略しますが、限度額や最低積立期間、住宅の条件などがありますので、必ず事務担当者や金融機関に確認してください。
では、新採(若手)におススメするのは
結論から言います。
私はどれもおススメしませんが、性格や状況によっては「住宅財形」がおススメです。
理由は
- 一般財形には非課税メリットがない
- 住宅財形・年金財形は目的外の解約の場合、課税される
- 老後資金をためるには早すぎる
- 期待利回りが低すぎる
があります。
それぞれを詳しく解説すると
1.一般財形には非課税メリットがない
一般財形にほかの2つと違い非課税のメリットはありません。普通の預貯金と同じように利息に対して課税されます。
メリットはないのかというと、一応普通預金などよりも利率がいい程度で定期預金とあまり大差はありません。
それなら、わざわざ申込や解約、積立額の確認が面倒な財形貯蓄で持つ必要はなく定期預金で十分です。今ではネット銀行等を使えば、利率0.1%(大手銀行は0.001%)の普通預金も可能です。
ただし、
- お金があるのが分かっていると使ってしまう
- 使いにくいぐらいがちょうどいい
- ネット銀行なんて怖いし、口座開設とかが面倒
とかいう方はやらないよりはマシだと思うので、一考の余地があります。
2.住宅財形は目的外の解約の場合、課税される
一般財形ではなく住宅財形をおススメする理由です。
住宅を買うかどうかわからないけれども、自分で貯める自信はない人はとりあえず住宅財形を申し込みましょう。
もし急遽お金が必要になった場合でも、課税されて返ってくるだけなので、最初から一般財形で申し込む必要はないと思います。
年金を目的にするより、若手の先生方にとっては住宅購入を目的にする方が目的外の解約の可能性が低くなります。
3.老後資金をためるには早すぎる
年金財形も目的外の解約の場合は住宅財形と同じように課税されます。
若手の先生たちにとっては、老後より住宅購入の方が近いため目的外の解約の可能性が低く非課税のメリットをうけることが可能性が高まると思います。
4.期待利回りが低すぎる
投資経験がある人の考え方です。
財形貯蓄は運用利回りが高い保険型の商品でも1%~1.5%ぐらいの利回りとなります。
(最近はもっと引いかもしれません)
それに対してや株式や債券の期待利回りは3~7%と言われています。
もちろん一時的には-20%の暴落等も考えられますが、投資信託やETF等を活用して長期投資をできれば、リスクを抑えながら財形貯蓄を上回る資産の形成ができると思います。
まとめると
まとめると新採から私に相談があった場合は
少額でも積立NISAを始める方が投資経験と期待利回り+非課税メリットがあると積立NISAを押しつつ
住宅取得が夢! or 必ず住宅取得をする つもりなら住宅財形。
早くも老後が心配なら年金財形より積立NISA+貯金を併用する。
投資が嫌でほかになにもするつもりがないなら住宅財形をする
といった回答をします。
新採(若手)の先生はまだまだ将来設計が固まってないので、
- 場合によっては非課税メリットも受けられる
- 住宅取得するつもりだったけど、配偶者と考えが違った
- 早くから老後資金を考えようと思っていたけど、結婚、住宅、育児、教育と先に必要な資金がいっぱいある
といった考え方や状況の変化がたくさんあると思います。状況に応じていろいろな選択肢をとれるように準備をしてほしいなと思います。
コメント